犬のルーツが狼だということはよく知られていますし、狼から派生した野犬も基本的には群れで生活しています。

群れというものにはボスが必要です。
動物の群れのボスというのは絶対的な権限を持っており、一群は彼に無条件に従います。
生きていくためのノウハウであるとか、外敵から群れを守るためのあらゆる判断はこのボスが行います。
ペットとなった今でも犬が飼い主に忠誠心を持っているのは群れで生活していた名残なのです。

しかし元々単独行動のネコにはボスが存在しません。
判断も全て自分で行っています。ネコがプライドの高い動物であるといわれる所以です。
ペットの犬にとって飼い主はある意味ボスになるわけですが、ボスを必要としないネコにとって、
飼い主はボスでも忠誠を尽くす相手でもありません。

ペットであるからといってネコを思い通りにしようなどと考えてはいけないのです。
またネコは自分のテリトリーを非常に大事にします。ペットとして室内で生活していても本能は野生動物なのです。
ネコにとってテリトリーで大切なのは広さではなく、そこで快適に生活ができるかどうかです。

食事と排泄が可能で、子供を生み育てることができる空間、それがテリトリーです。
従ってペットのネコにとっては室内でそれらがかなえばそれで満足なのです。

ペットであってもネコの気持ちは独立している、それを忘れないで上手にネコと付き合って下さい。

ペットとしてネコを飼うとまずトイレトレーニングをしなければなりません。ネコは元来が狩猟動物でしかも夜行性です。あまりにぎやかな空間での排泄は避けましょう。またネコはトイレの後に砂をかけて隠す習性があります。ペットショップなどで販売しているネコ砂などを敷いてやると割合簡単にしつけることができます。もし可能ならネコを購入したペットショップなどから元々そのネコが使っていた砂を分けてもらって混ぜてやると、自分の臭いが残っているのでより早くしつけられます。トイレよりも手がかかりそうなのが食事トレーニングです。前述したように狩猟動物であるため毎日決まった時刻に食事ができるとは限らず、食べられる時にまとめて食べて次の狩猟までなるだけ動かないで過ごす、という生活をしていたネコは、時を経てペットとなっても本来のムラ食いの習性が本能的に残っています。従ってペットとなった現代でも食事の量にはムラがあります。おまけに子ネコは遊ぶことが大好きです。だらだらと遊び食べをしないように、時間を決めておいて食べない時には片付けてしまって下さい。それから口をつけないからといって、次々と新しい食物を与えることはやめましょう。ネコは食べないでいればそのうち好物が出てくると思ってしまいます。1食くらい抜いても全く影響はありませんし本当に空腹になったら、食べるでしょう。お気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが、ペットの食事のしつけといいながら、人間の赤ん坊に授乳や離乳食を教える場合と注意する点は同じなのです。

初めてネコをペットとして飼おうと決心をしたならば、ネコを家に迎え入れる前に物心両面のさまざまな準備と覚悟が必要です。可愛いからだとか、みんなが飼っていて流行だから、などという浮ついた気持ちなら、ペットを飼う資格はありません。ネコはわりと飼いやすいペットですが、それでもほったらかしにすることはできません。ネコを飼うということは、そのネコの一生を背負うということです。ネコの寿命は15年から20年です、その間、ネコはもちろん人間も年を取ります。一緒に遊んであげる時間も必要ですし、その20年の間に転居や環境の変化もあり得ます。年を取ってくると動物病院にかかることもあるでしょう。責任を持ってペットの世話ができるのか、自分で、または家族でよく考えることが必要です。飼う決心がついたら次は自分のライフスタイルにあったネコを探しましょう。一戸建てなのか集合住宅なのか、一人暮らしなのか家族で居住しているのか、一人暮らしだとしたら毎日定時には家に戻る生活なのか、留守がちなのか等の多種多様のライフスタイルに最適なネコを選びましょう。ペットショップに行って、ネコを飼うのに必要なペット用品も買い揃えなければなりません。近隣の動物病院や、ペットホテルもチェックしておいた方がいいでしょう。ここでようやくネコを迎え入れるわけですが、精一杯の愛情を注いであげてください。愛情をたくさん与えられたペットは幸せな生涯をおくることができるのです。

ペットといえば以前は犬かネコ、と相場が決まっていました。特にネコに関して言えば、今のようにペットショップで売られている高価なものではなく、友人にもらうとか、道で拾うとか、とにかく元手がかからない方法で手に入れることが多かったように思います。当然現代のペットたちとは生活の習慣もグレードも格段の差がありました。まず食事、今のようにペットフードを食べさせてもらっているネコはほんの一握り、ほとんどのネコは夕飯の残りであるとか、ご飯に味噌汁をかけただけだとか、鰹節をのせた通称「ネコマンマ」で済ませていました。もちろんネコ用の洋服なんて論外です。それから昔のペットとの大きな違いは何と言ってもその生活空間でしょう。昔のネコは今のように美しい寝床なんてありませんでした。専用の座布団かバスタオルがあれば十分だったのです。しかし、昔のペット達は元気でした。ストレスも運動不足もほとんどなく動物らしく毎日を生きていたように思います。ペットがもはや家族化してしまっている現代、もしも昔のネコ達がリッチでゴージャスな生活を送る一部のネコ達を目にしたらどう思うのでしょう?羨ましがるのか、それともお犬様ならぬおネコ様状態に同情するのか、ちょっと聞いて見たい気もします。

グルーミングとはネコなどの動物が、身体全体の手入れをする行為の一つです。最もよく知られているのが毛づくろいです。ネコは自分で自分の毛づくろいをするのでセルフグルーミングとも言われています。毛づくろいの他にも、爪を切ったり、耳掃除をしたり、シャンプーをしたりといったペットの手入れのことも意味します。ペットの中でもネコは大変きれい好きな動物です。舌を使って身体を丁寧にグルーミングをします。以前と違い交配や改良が進んでペット用に改良されたネコの中には、身体つきや毛の長さなどから、飼い主がグルーミングをしてやらなければならない場合も出てきました。フサフサとした長毛のネコなどは、飼い主がブラッシングによるグルーミングを怠ると、毛玉ができてさらにそこから炎症を発症したり、皮膚が引きつったりしてしまいます。また、グルーミングをする時は必然的にペットの身体に触ります。その時に細心の注意を払っておけば、ペットの身体の異常により早く気づくことができるでしょう。普段、ネコはグルーミングで出た毛玉は吐き出すか、飲み込んで便と一緒に排泄しますが、長毛のネコだとうまく吐き出せず、腹の中で固まってしまい毛球症という病気を引き起こしてしまいます。グルーミングは言葉を話さないペットと、飼い主の最大のコミュニケーションの方法です。病院などで暴れないように、子ネコの時からグルーミングに慣れさせておくことが大切なのです。